• 時刻t=0に、導体棒PQを速度v0で右(x軸正の方向)に動かす。
    回路に生じる誘導起電力の大きさは、

    その方向は、
    • 紙面を上から下に貫く磁場の増大という「変化」を「打ち消す」、すなわち、
    • 紙面を下から上に貫く磁場を生成する電流、すなわち、
      P→L→C→Q
      すなわち、PはQより高電位である。
  • その電流の方向を正として、回路P→L→C→Qについてキルヒホッフ第二法則の式を立てる。
    • コイルに生じる自己誘導起電力は、電流iを妨げる方向だから、左側より右側が高電位、
    • コンデンサの極板Aには電流iが流入するから、正電荷がたまり、BよりAが高電位、
    であるから、極板Aの電荷を+qとすると、

    ここで、極板Aには電流iが流入することから、

    したがって、

    これは、時間の関数q(t)の2階微分はqの1次関数であらわされることを意味している。
    定数項が消去されるように、変数変換を行うと、

    q'=q-CBlv0とおくと、d2q'/dt2=d2q/dt2だから、

    この微分方程式の一般解は、

    ただしωは、

    より、

    次に、q0および、ψは初期条件によって決まる積分定数である。
    • 時刻t=0において、q=0、すなわち、q'=-CBlv0
    • 時刻t=0において、i=dq/dt=0、すなわち、dq'/dt=0、すなわち、q'が極値をとっていた、
    ことから、q'のグラフは「-cos型」であることがわかる。すなわち、

    qに戻すと、

    電流iは、
  • ところで、導体棒PQを流れるこの電流には、磁場から力を受けることになる。フレミング左手の法則から、

    その方向は、iの正の向き(Q→P)に対して左向き(x軸負の向き)である。
    このような振動する力を受ける導体棒に対して、右向き(x軸正の向き)に等速直線運動をさせるためには、これとちょうどつりあう外力を加え続けなければならない。
    したがって、この外力も、

    とあらわされる。
    この外力がする仕事は、






  • 回路のエネルギー収支について考える。
    コンデンサの蓄える静電エネルギーUCは、

    コイルの蓄えるエネルギーULは、

    これらの合計は、

    したがって、 W=UC+UL である。